複式簿記のメリット1(「なにで支払ったか」「いつ支払ったか」を記録できる)

複式簿記を用いて簿記をつけることは、

単式簿記と比べて以下の4つのメリットがあります。

  1. 「なにで支払ったか」を記録できる
  2. 「いつ支払ったか」を記録できる
  3. 記録ミスを見つけやすくすることができる
  4. 財務状況を評価することができる

 

ひとつずつ、その詳細を見てみましょう。

 

「なにで支払ったか」を記録できる

単式簿記では、「食費」「交通費」「書籍」のように、

「何に支払ったか」しか記録できない。

 

お小遣い帳をつけている小学生の生活であれば、

支払い方法は「現金」くらいしかないですから、

わざわざ「なにで支払ったか」を記録する必要はないでしょう。

 

しかし、社会人となれば、「現金」以外の方法で支払いをすることもあります。

例えば、電車に乗るときは、Suica等の交通系ICカードを使うことがあるでしょう。

また、インターネットで書籍を買うときに、

クレジットカードで支払うこともあるでしょう。

 


Credit Cards / Sean MacEntee

 

これは、最終的には現金で支払っていますが、

商品やサービスをやり取りするときには現金のやり取りは行っていません。

 

このような時、複式簿記であれば、

「現金で支払い」の代わりに、

Suicaで支払い」「クレカで支払い」

と記録することができます。

 

別に、最終的には現金で支払っているのだから、

商品やサービスをやり取りした時に「現金で支払い」したことに

してしまえばいいではないかという話もあるでしょう。

 

これについては、キャッシュフローについて

別途お話しする必要があると思いますが、

結論から言えば、より正しく財務状況を把握するためには、

より実態に合わせた記録をしないといけないので、

正確に支払い方法まで記録する方が好ましいです。

 

「いつ支払ったか」を記録できる

これも、先ほどと同じ話です。

 

「現金で支払い」したことにしてしまっては、

その時に現金で支払ったのか、

後で現金を支払ったのか、

先に現金を支払ったのか、

その区別をすることができません。

 

会社の運営にとって、時間差というのは大変重要です。

今、手元に100万円あるのか、

1か月後に100万円手に入るのか、

1月前に100万円があったのか、

この区別は会社の存亡にかかわることがあります。

 


Time & Money / Delwin Steven Campbell

 

特に会社の規模によっては、

先月の売上げ金を使って、今月の仕入れをしたり、

従業員に給料を支払ったりしていることもあるのです。

 

来月確実にお金が入ってくることが分かっていても、

今月お金がなければ、会社は潰れてしまうかも知れないのです。

 

これと比べれば、家計でこのような「自転車操業」をしていることは

そうそうないと思いますから、そういう意味では

時間差を記録するメリットは少ないかもしれません。

 

しかし、時間差を無視して家計簿をつけると、

その時間差があるということをいちいち覚えていないと

いけないという負担があります。

※これについては記事を改めてお話しします。

 

次回は、残り2つのメリットについてお話しします。

次回:複式簿記のメリット2(記録ミスを見つけやすくすることができる、財務状況を評価することができる)