仕訳の具体例3(プリペイドカードによる買い物)

 さて、プリペイドカードによる買い物の場合です。

 


Prepaid Cards / 22n

 

プリペイドカード(前払い)の場合

先にカードに現金をチャージし、そのカードを使う場合や、

先に現金でカードを購入して、そのカードのポイントと交換で商品を買う場合がそうです。

Suicaなどの交通系ICカードや、iTuneカードなどがそれに相当します。

ここではこれらのカード類をまとめてプリペイドカードと呼んでいます。

 

プリペイドカードによる支払いも、クレジットカードによる支払いと同様に

2つのやり取りから成り立っています。

  1. 先に現金を支払い
  2. 後で商品を手に入れる

もちろん、仕訳も2行分必要です。

 

こちらも結論から先に示すと、以下のような仕訳になります。

 

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
(前払金) 154円 (現金) 154円
Suicaに現金でチャージ
(交通費) 154円 (前払金) 154円
東京~上野をSuicaで支払い

 

今度は「前払金」という言葉が出てきましたが、

これは説明不要ですね。

 

改めて簿記の用語として定義するなら、

「現金の支払いと同じ効果を行使できる権利」

とでも言いましょうか。

 

1行目のやり取りで、現金と交換で手にしたものは、

「現金の支払いと同じ効果を行使できる権利」と考えます。

そして2行目では、その権利を手放す代わりに、

交通費というサービスを手に入れているわけです。

 

「〇〇費」「〇〇代」という勘定科目

ここで、ちょっと引っかかった人がいらっしゃるかもしれません。

「借方に書くのは受け取ったもののはずなのに、

 交通費を受け取るというのはおかしいのではないか?」

という疑問です。

 

実は交通費に限らず、「〇〇費」「〇〇代」などの勘定科目は

一般的なやり取りをしていると、すべて借方に書き込まれます。

 

これについては、色々な理解の方法があるのですが、

先に「受け取ったものが借方」と説明している状況では、

次のような理解が納得しやすいと思います。

 

それは、

「〇〇費」「〇〇代」などは「〇〇のサービスを受け取った」と読み替える

という理解です。

「交通費」という借方の勘定科目は、

「交通のサービスを受け取った」と考えるとすっきりします。

 

「交通費」の他、

「交際費」「電気代」「電話料金」なども同じように考えましょう。

 

そもそも「食費」だって同じ「〇〇費」なのですけど、

どうも交通費や電気代のように、形のないものの買い物だと

何だか腑に落ちないわけです。

 

次回は、給与の銀行振り込みについて説明します。

 次回:仕訳の具体例4(給与の銀行振込み)